海外旅行や出張でインターネット接続を確保する方法は主に3つあります。
ポケットWiFiのレンタル、eSIMの購入、そしてキャリアの海外ローミングです。
本記事では、それぞれの料金相場を地域別・プラン別に徹底解説します。
自分の渡航先や滞在期間に合わせて、最もコスパの良い選択肢を見つけましょう。
海外WiFi(1日あたり)の料金相場
海外WiFiレンタルは、渡航先によって料金が大きく異なります。
アジア圏は比較的リーズナブルで、欧米になると料金が上がる傾向にあります。また、データ容量によっても価格差があるため、自分の利用スタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。
ここでは地域別の相場と大容量プランについて詳しく解説します。
アジア:600〜1,200円
アジア圏への渡航は、海外WiFiレンタルが最もお得に利用できる地域です。
韓国、台湾、タイ、シンガポールなど人気の観光地では、1日あたり600円〜1,200円程度でレンタルできます。
この価格帯には通常500MB〜1GB程度のデータ容量が含まれており、SNSの閲覧やマップアプリの使用、メッセージのやり取りなど一般的な利用には十分対応できます。
特に韓国や台湾は競争が激しいため、早期予約割引やキャンペーンを利用すれば500円台で借りられることもあります。
ハワイ:800〜1,500円
日本人に人気の観光地であるハワイは、アジアと比べてやや料金が高めに設定されています。
1日あたり800円〜1,500円が相場となっており、この価格差は主に通信インフラのコストや需要の高さによるものです。
ハワイでは観光スポットでの写真撮影やSNS投稿、レストラン検索などでデータ通信を多用する方が多いため、1GB以上の中容量プランを選ぶケースが一般的です。
家族旅行やグループ旅行であれば、1台のWiFiルーターを複数人でシェアすることで、1人あたりのコストを大幅に抑えることができます。
欧米:1,000〜1,800円
ヨーロッパやアメリカ本土への渡航では、1日あたり1,000円〜1,800円程度の料金が目安となります。
特にヨーロッパは複数国を周遊する旅行者も多く、EU圏内で使えるプランを選ぶと便利です。
アメリカは国土が広いため、都市部では快適に使えても地方では電波が弱くなることがある点には注意が必要です。
欧米への長期滞在の場合、週単位や月単位の割引プランを提供している業者もあるため、滞在日数に応じて最適なプランを比較検討することをおすすめします。
大容量:1,500〜2,500円
動画視聴やビデオ通話、リモートワークなど大量のデータ通信を必要とする方には、大容量プランがおすすめです。
無制限または1日3GB以上の大容量プランは、1日あたり1,500円〜2,500円程度が相場となっています。
ビジネス出張でオンライン会議に参加する必要がある方や、旅行中も動画コンテンツを楽しみたい方にとっては、通信制限を気にせず使える安心感があります。
ただし、無制限プランでも一定量を超えると速度制限がかかる場合があるため、契約前に詳細条件を確認しておきましょう。
eSIM(1日〜30日)の料金相場
eSIMは物理的なSIMカードの差し替えが不要で、オンラインで購入・設定が完結する便利な通信手段です。WiFiルーターを持ち歩く必要がなく、荷物を軽くできるメリットがあります。
料金体系は日数やデータ容量によって異なり、地域によっても価格差があります。以下では主要な渡航先別にeSIMの料金相場を紹介します。
アジア:300〜900円
アジア向けeSIMは、最もコストパフォーマンスに優れた選択肢の一つです。
韓国、台湾、タイ、ベトナムなどの人気渡航先では、3日間で300円〜500円程度から購入可能で、7日間でも500円〜900円程度に収まることが多いです。
データ容量は1GB〜5GB程度のプランが主流ですが、SNS利用やマップ検索が中心であれば十分な容量といえます。
Airalo、Holafly、トリファなど複数のeSIMサービスを比較して、自分の利用期間とデータ量に合ったプランを選びましょう。
アメリカ:500〜1,500円
アメリカ向けeSIMは、7日間で500円〜1,000円程度、2週間で1,000円〜1,500円程度が相場です。アメリカは国土が広大なため、通信会社によってカバーエリアや通信速度に差があることを念頭に置いておく必要があります。
T-MobileやAT&Tの回線を利用したeSIMプランが一般的で、主要都市や観光地では快適に利用できます。
長距離のロードトリップを計画している場合は、カバレッジの広いプランを選ぶことをおすすめします。
ヨーロッパ:800〜2,000円
ヨーロッパ向けeSIMは、複数国で使えるプランが主流となっています。
EU圏内30カ国以上で利用可能なプランが多く、7日間で800円〜1,200円程度、14日間で1,200円〜2,000円程度が相場です。
フランス、イタリア、スペインなど複数国を周遊する旅行では、国ごとにSIMを買い替える必要がないため非常に便利です。
ただし、スイスやイギリスなどEU非加盟国が含まれるかどうかはプランによって異なるため、渡航先に合わせて対応エリアを事前に確認しておきましょう。
世界共通:2,800〜6,000円
世界100カ国以上で使えるグローバルeSIMは、複数地域を跨ぐ出張や世界一周旅行に便利な選択肢です。7日間で2,800円〜4,000円程度、30日間で4,000円〜6,000円程度が相場となっています。
地域限定プランと比べると割高ですが、渡航先が複数地域にまたがる場合は、個別にプランを購入するよりもトータルでお得になることがあります。ビジネスで複数国を短期間で移動する方や、渡航先が直前まで確定しない場合に重宝するプランです。
短期はeSIM、長期はWiFiがお得な理由
総額で比較すると、短期滞在(1週間以内)ではeSIMが、長期滞在(2週間以上)ではWiFiレンタルがお得になる傾向があります。eSIMは初期費用が安く日数単位で購入できるため、3〜5日程度の短期旅行では圧倒的にコスパが良いです。
一方、WiFiレンタルは長期になるほど1日あたりの単価が下がる料金体系が多く、2週間以上の滞在では日割り換算でeSIMより安くなることがあります。
また、複数人でシェアできる点もWiFiの強みです。自分の滞在日数と同行者の有無を考慮して、最適な方法を選びましょう。
| 比較項目 | eSIM | 海外WiFiレンタル |
|---|---|---|
| 初期費用 | 安い(300円〜) | やや高い(600円〜/日) |
| 短期(〜7日)総額 | お得 | やや割高 |
| 長期(14日〜)総額 | 割高になりやすい | 長期割引でお得 |
| 複数人利用 | 各自購入が必要 | 1台をシェア可能 |
| 手軽さ | オンライン完結 | 受取・返却が必要 |
キャリア海外ローミングの料金
日本の携帯キャリアが提供する海外ローミングサービスは、申し込みの手軽さが魅力です。
事前にWiFiルーターを借りたりeSIMを設定したりする手間がなく、普段使っているスマートフォンをそのまま海外で利用できます。
ただし、料金は割高になる傾向があるため、各キャリアのプラン内容を把握しておくことが重要です。
ドコモ:980円/日〜
ドコモの海外ローミングサービス「世界そのままギガ」は、1日980円から利用可能で、日本で契約しているデータ容量の範囲内で使えるサービスです。
24時間単位の課金で、200以上の国と地域で対応しており、渡航先到着後すぐに使い始められる利便性があります。
利用可能なデータ容量は月間30GBまでに制限されているため、長期滞在の場合は費用面と容量の両方で他の手段と比較検討が望ましいです。
なお、2025年9月以降は「ドコモ MAX」プラン利用者は「世界そのままギガ」の申し込み不要で、海外データ通信が追加料金なしで30GBまで利用可能となりました。
ahamoユーザーは契約プランのデータ容量の範囲内で、海外200以上の国・地域での追加料金なしの利用が可能です。
プランによっては20GBまたは30GBまで利用できるため、短期の海外渡航には特にコストパフォーマンスが高い選択肢といえます。
au:980円/日〜
auの「世界データ定額」は、24時間あたり980円から利用できる海外データ定額サービスです。
日本国内での事前予約・早割キャンペーンを活用すると、1日あたり490円からの割引料金で最大30日間利用可能です。
利用開始と終了の時間を自由に設定できるため、飛行機の移動時間帯は課金を停止し滞在時だけ利用するなど柔軟な使い方が可能です。
対応エリアは世界160ヵ国以上に及び、日本人の主要な観光地やビジネス渡航先をほぼカバーしています。
auのサブブランドであるUQモバイルでも同様の海外ローミングサービスが提供されている一方、povoは海外ローミングに対応しておらず、別途トッピング購入が必要なので注意が必要です。
ソフトバンク:980円/日〜
ソフトバンクの「海外あんしん定額」は、1日980円から利用できる定額制と従量制の2種類のプランから選択可能です。
定額制プランは利用開始から24時間単位で最大1GBのデータ容量が付与され、その後自動で課金が停止するため、不要な料金の発生を防げます。
アメリカ放題プランに加入していれば、アメリカ本土やハワイでの通話やデータ通信が追加料金なしで利用でき、頻繁にアメリカへ渡航する方に高いコストパフォーマンスを提供します。
ただし、利用条件や申し込みが必要なケースもあるため事前確認が望ましいです。
LINEMOユーザーも海外ローミング対応ですが、料金体系がソフトバンク本体と異なり、注意が必要です。
楽天モバイル:2GBまで無料
楽天モバイルは、海外ローミングが毎月2GBまで無料で利用できるのが大きな特徴です。
70以上の国と地域で追加料金なしにデータ通信が可能で、2GBを超えても最大128kbpsの低速で使い放題となり、必要に応じて1GBあたり500円でチャージできます。
短期の海外旅行であれば2GBで十分な場合が多いでしょう。なお、無料対象はデータ通信のみで音声通話は別料金がかかります。
渡航前には「my 楽天モバイル」で海外ローミングをONにする設定が必要であり、一部非対応地域や速度制限の可能性もあるため、公式サイトで対応状況を確認することをおすすめします。
| キャリア | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| ドコモ | 980円/日〜 | ahamo は20GBまで無料 |
| au | 980円/日〜 | 早割で490円/日も可能 |
| ソフトバンク | 980円/日〜 | アメリカ放題対応プランあり |
| 楽天モバイル | 2GBまで無料 | 追加は500円/GB |
まとめ
海外でのインターネット接続手段は、WiFiレンタル、eSIM、キャリアローミングの3つが主な選択肢となります。料金面では、短期滞在(1週間以内)であればeSIMが最もコスパが良く、アジア圏なら300円〜、欧米でも1,000円前後で利用可能です。一方、2週間以上の長期滞在や複数人での旅行では、WiFiレンタルを選んでシェアする方がお得になるケースが多いです。
キャリアの海外ローミングは手軽さが魅力ですが、1日980円〜と割高になるため、短期間での利用や緊急時のバックアップとして考えるのが良いでしょう。楽天モバイルユーザーであれば2GBまで無料で使えるため、サブ回線として持っておく価値があります。
渡航先、滞在日数、同行者の有無、データ使用量を総合的に考慮して、自分に最適な通信手段を選びましょう。次章では、各サービスの具体的な申し込み方法と設定手順について詳しく解説します。
国内外の旅行情報、航空会社の利用ガイド、聖地巡礼ルートの研究を中心に執筆。
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